公立小松大学次世代考古学研究センター・セミナーシリーズ第1回「博物館DXと次世代考古学」

日  時: 2023年7月22日(土)12時45分~15時45分
会  場 公立小松大学中央キャンパス 203講義室
(https://www.komatsu-u.ac.jp/campusguide/campus-map/)
開催方式: 対面およびオンライン
参加方法: 以下URLのお申し込みフォームより参加申込をお願いいたします。
対面・オンラインのどちらかを選んでお申込みいただけます。
(https://forms.gle/Ac5tYw9LrGQPGUjE9)
 ※お申込みフォームが開かない場合は、お手数となりますがお問い合わせメール宛てにご連絡いただければと思います。
参加費 : 無料
言  語: 日本語
主  催: 公立小松大学 次世代考古学研究センター
発表者 : 中村誠一(次世代考古学研究センター長、特別招聘教授)
中尾智行(文化庁博物館振興室 博物館支援調査官)
朝倉由希(国際文化交流学部 / 次世代考古学研究センター准教授)
村野正景(次世代考古学研究センター特任准教授 / 京都文化博物館学芸員)
野口淳(次世代考古学研究センター特任准教授)

▼問い合わせ先
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問い合わせ先:公立小松大学 次世代考古学研究センター
komatsu.ngas@gmail.com
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公立小松大学次世代考古学研究センター・セミナーシリーズ第1回「博物館DXと次世代考古学」

(pdf)



プログラム

12:30

開場

12:45-13:10

中村誠一(次世代考古学研究センター長、特別招聘教授)
「次世代考古学研究センターとホンジュラスにおける博物館への協力」

 公立小松大学は、本年4月1日に次世代考古学研究センターを設置した。センターでは、中米マヤ文明世界遺産の調査研究・保存への国際協力とともに、地元・小松市の日本遺産である「小松の石文化」の調査研究や普及を通した地方創生の取り組みへの協力を車の両輪とする形で、活動を展開している。この発表では、公立小松大学が目指す次世代考古学のかたちと、公立小松大学が昨年7月にリエゾンオフィスを設置したホンジュラスの世界遺産「コパンのマヤ遺跡」を有するコパンルイナス市における博物館への協力計画について説明する。

13:10-13:35

中尾智行(文化庁博物館振興室 博物館支援調査官)
「博物館DXの課題と展望」

 2022年4月に公布された改正博物館法は、制定以来約70年ぶりの大幅改正と位置付けられている。特に博物館の事業に関しては、社会からの期待に応える形で大きく改正され、電磁的記録(デジタルアーカイブ)の作成・公開や、多様な主体との連携のもとでの地域の活性化が位置づけられた。これらは博物館とその資料の価値を館外に広げるものであり、博物館の持続的かつ発展的な活動のためには欠かせない。また、ICTの進展と普及に伴いインターネットを通じた学習ニーズが急速な高まりをみせるほか、アクセシビリティやインクルーシブの観点からも多様な手段での情報発信が求められている。経済不況や自治体財政の逼迫を背景とした博物館財政の縮小に大きな実体的課題が存在しているものの、Digital化はこれからの博物館と文化財行政をより良い方向に変化させる(X:Transformation)ための強力な手段である。

13:35-14:00

朝倉由希(国際文化交流学部 / 次世代考古学研究センター准教授)
「文化政策の転換と博物館の役割」

 今日、博物館は収集、保存、調査研究、展⽰といった基本的な機能に加え、社会課題解決や地域発展、多様性・包摂性を実現する場など幅広い役割にも注⽬が集まっている。本発表では、博物館の役割をめぐる議論の背景にある、2010年代を通じた日本の文化政策の動向を概説し、求められる博物館の役割やDXが果たし得ることについて提示する。

14:00-14:10

 小休憩

14:10-14:35

村野正景(次世代考古学研究センター特任准教授 / 京都文化博物館学芸員)
「ミュージアムDXと社会的課題に取り組む博物館:京都府京都文化博物館の実践と展望」

 博物館活動のデジタル化は世界各地で進み、日本でも2022年4月に公布された改正博物館法で重視されている。発表者が注目するのは、同法にかかる答申で、デジタル化と同時に博物館の地域課題対応活動の活発化も重視され、同法にも盛り込まれたことである。従来の博物館活動を支援し、また広げようとするこの法律を現場がつかいこなそうと思う時、単に博物館収蔵庫内の資料のデジタル化を進めるという以上に、視野をいかに広げられるかが重要と思われる。本報告では、何をどうデジタル化するのか、その問いに対応する目の付け所や活動の立ち上げた方の工夫、今後の展開可能性について、京都文化博物館の実践を議論のための題材として提供したい。

14:35-15:00

野口淳(次世代考古学研究センター特任准教授)
「次世代技術が変える未来の考古学・博物館」

 考古学・博物館資料のデジタル化は、テキスト・画像・動画から、3D、位置情報へと拡大され、記録、保存、公開共有の新しい手段・媒体となっている。それだけにとどまらず、利用者にあらたな体験を提供するとともに、積極的な参加のチャンネルを開くことにも貢献している。3D・xR・位置情報を利用した日本国内でのあらたな取り組みを紹介し、また次世代考古学研究センターが小松市と連携して進めている八日市地方遺跡出土資料の3D化の成果を報告する。

15:00-15:10

小休憩、ディスカッションに向けた配置換え

15:10-15:45

質疑応答、ディスカッション
モデレーター:関雄二(国立民族学博物館名誉教授)